京浜臨海部の活性化について

(1)京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区について

質疑を行う藤井しんすけ

京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区については、本県の経済成長のエンジンを回すための産業・機能の集積拠点の形成を目指して、横浜市・川崎市と協調・連携して、取組を進めているところであり、具体的な成果を得られつつあると認識している。
 県では、産業支援施策の強化として、ライフサイエンス関連産業の海外展開が円滑に進むためのサポートなど、特区における国際戦略強化を目的とする「(仮称)グローバル・コラボレーション・センター」、GCCを民間主導により、来年度に立ち上げるべく、県が全面的に支援しているとも認識している。
 GCCが、国際戦略総合特区ならではの、産業支援の効果的なしくみとなるよう、強く期待している。
 そこで、京浜臨海部の総合特区において、「(仮称)グローバル・コラボレーション・センター」がどういう役割を果たすことを期待しているのか。また、民間主導によるこのセンターの設立を具体的にどう進めていくのか、併せて伺いたい。

知事答弁

答弁を行う黒岩知事

 まず、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区におけるグローバル・コラボレーション・センターについてです。
 我が国の成長分野として期待されていますライフサイエンス関連産業は、国際競争が激化する中で、医薬品の輸入超過が進むなど、厳しい局面を迎えています。
この競争に勝ち残るためには、世界に通用する製品を生み出す研究開発を進めるとともに、ライフサイエンス関連産業の先進国である米国や市場規模の大きいヨーロッパ、さらに急速に拡大するアジア市場も視野に入れた効果的な国際戦略を打ち出す必要があります。
 こうしたことから、県では、横浜市、川崎市の協力のもと、民間主導による「仮称グローバル・コラボレーション・センター」の立ち上げを全面的に支援しているところです。
 このセンターでは、米国食品医薬品局、FDA元次官ジョン・ノリス氏など海外の専門家のアドバイスなどをいただきながら、ライフサイエンス関連産業の海外展開のサポートなど「産業化支援」に取り組むこととしています。
 加えて、この分野の産業界のリーダーとなりうるような「国際産業人材の育成」、一人ひとりの体質や体の状態に合った「個別化医療」や「予防医療」などに関する「国際共同研究」、世界的な競争に勝ち抜くための「国際戦略提言」機能、これらを果たすことも期待しています。
 次に、このセンターは、4月に、民間による一般社団法人として「かながわサイエンスパーク」での開設を目指しています。
 設立に当たっては、ライフサンエンス関連産業や新規参入を検討している企業、大学・研究機関など、産学公がタッグを組んで、しっかりと取り組んでいきます。
 グローバル・コラボレーション・センターが、神奈川発・日本発のライフイノベーションを世界に発信できる「新たな神奈川モデル」となるよう、その設立と運営に対して、県として、強力にサポートしていきます。

再質問

京浜臨海部の活性化についてなのですけれども、最近、様々な形で新聞報道でも京浜臨海部が取り上げられるようになりまして、いろんな報道を見聞きしますけれども、県、それから川崎というのがだいぶ具体的には見えてきているのですが、一方でこの横浜市というのがどうもこう見えないところが私自身にあります。
 そういった中で、県知事として、この横浜、川崎一体となってこの京浜臨海部の活性化をしていかなければならないというふうに私は思っておりますが、その拠点に関して、県と横浜、川崎の連携についてですね、どのように考えておられるのか、一点質問させていただきたい。

知事答弁

 京浜臨海部で県、川崎、横浜の共同プロジェクトである割には、最近横浜の姿が見えないな、ということであります。
 しかし、特区申請をした時には、きちっと横浜の3つのエリアというものもそこに入っております。
 みなとみらい地区、そして福浦地区、それから理研のあるところです。
 横浜市大病院もそのエリアに入っておりますし、そして理研、先日私も理研を見に行きました。
 世界最先端の素晴らしい技術がそこに眠っているということでありました。現場では着々とそれに向けて準備を進めております。
 ただ今のところ、川崎臨海部のところはまだ実験動物中央研究所があるだけで、まだ何もありませんので、ここをどういうふうにしていくのかというところが表に出てはおりますけれども、しっかりとその日に備えて、着々と準備を進めているということだけは、間違いございません。
 このあたりの技術についても、これからしっかりとアピールしていきたいと考えております。

意見

着々と進めているということなのですが、その中で果たしてどういう風な進捗状況であったか分かる人がおられたら、またいろいろ聞かないといけないのですけど。
 そういった意味では知事がよくおっしゃいます、例えば県内の市町村。マグネット力を発揮するためには、まず地元がしっかりとやろうとしている方々が、同じような方向を向いて、しっかりと一致協力して、そして事をなしていこうと。そういう所にもしっかり支援していくと知事はいつもおっしゃっています。
 それと同じように、やはり神奈川県、横浜市、川崎市、これが本当にそれぞれが力を十分に発揮してやっていかないと、一つの事は成就しないと思いますので、ぜひその辺りは広域の自治体ですから、県がしっかりリーダーシップをとって頂くことが一番重要であろうと思いますし、そういった意味では、協力をしてこの京浜臨海部の活性化のために頑張っていただきたいと思います。

(2)東海道貨物支線の貨客併用化について

質疑を行う藤井しんすけ

 京浜臨海部は、我が国を代表する工業地帯であり、高速道路、貨物鉄道などインフラが整備され、高度なものづくり技術や世界有数の環境技術を持つ企業が集積している重要な地区である。
 しかし、鉄道は、貨物線を中心として整備され、旅客輸送機能の整備が立ち遅れている。
 新たな成長分野の企業や研究所等の立地を進めていくなど京浜臨海部の活性化を図るには、鉄道アクセスを向上させていくことが必要である。
 県は従前から、東海道貨物支線の貨客併用化について検討しているが、その実現は、広域的な鉄道の利便性向上の面からも大いに期待できる。
 そこで、東海道貨物支線の貨客併用化の実現に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、伺いたい。

知事答弁

答弁を行う黒岩知事

 この貨客併用化の取組みは、京浜臨海部の活性化や、羽田空港へのアクセス向上などが期待でき、本県や東京側で、国際戦略総合特区を活用したまちづくりが進む中、その重要性が高まっています。
 県では、県内市町村などと設置している「鉄道輸送力増強促進会議」において、鉄道事業者に対し、貨客併用化の早期実現を要望し、国に対しては、補助制度の充実などの要望を行っています。
 貨客併用化の実現には、莫大な事業費や収支採算性などの課題があるため、県が事務局となり、国や東京都などの沿線自治体からなる「整備検討協議会」において、既存線を活用した段階的な整備の検討や、沿線の開発動向調査などを行っています。
 先月30日には、協議会が主催で調査列車を運行し、国や学識者、地元企業の方々などとともに、私も乗車しました。臨海部を通って東京と神奈川がつながるメリットを改めて実感したところでありました。
 また、乗車された方々からは、「既存線を最大限活用すべき」、「観光面でのメリットも期待できる」、「貨物列車との運行調整が可能なのか」など、多くの意見をいただきました。
 県としては、これらの意見も参考にして、協議会の場で、しっかりと検討を進めるとともに、引き続き、国等への要望を行うなど、貨客併用化の実現に向けて取り組んでまいります。

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