がんワクチンセンターについて

質問要旨

質疑を行う藤井しんすけ

 がんは、今日、検診や医療技術の目覚しい進展により、必ずしも治らない病ではないものの、現在の医療においても依然として治療が難しい点もあり、革新的な治療法が望まれている。
 がんに対する治療法は手術、抗がん剤、放射線照射が一般的だが、新たに「がんワクチン」という免疫療法が実用化に向けて研究開発が進められており、そうしたことから、この治療法を普及させる必要があると考え、昨年12月には我が会派の渡辺議員が「がんワクチン」を使った治療をする場の設立について質問を行い、知事からは、検討を進めているとの答弁があった。
 新たな治療法として「がんワクチン」の投与による免疫療法は画期的なものとして大いに期待するが、その普及にはかなりのハードルがあると考える。
 そこで、県内にがんワクチンを提供できる「がんワクチンセンター」を作るべく鋭意努力していることと思うが、その設置を検討する上での具体的な課題にはどのようなものがあるか、伺いたい。。

知事答弁

答弁を行う黒岩知事

 がんペプチドワクチンは、現在、治験など研究開発が進められている段階であり、治療薬として承認を受けていない、いわゆる未承認薬です。
がんペプチドワクチンを望まれる方に確実に提供するためには、治験制度によるものではなく、自由診療で行う必要があります。
 一方、同じ医療機関で、同じ患者に対して、自由診療と保険診療を併用して提供することは、「混合診療」に該当することから、原則的に認められていません。
 このため、医療機関において、がん治療と並行して未承認薬である、がんペプチドワクチンの提供を行うことは難しいという課題があり、がんワクチンセンターを運営する事業主体について、現在、調整を進めています。
 また、その他の課題としては、ワクチン供給元の確保、緊急時の対応病院との連携、さらには、将来的に承認薬とするため、ワクチンを投与したデータを活用する仕組みづくりなどがあります。
 こうした課題については、有識者の方から意見を伺いながら、現在、庁内で検討を進めているところです。
 多くの患者さんが一刻も早い治療の実現を待っており、その期待に応えるためにも、引き続き取り組んでまいります。

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