県立高校における特別支援教育のあり方について

藤井しんすけ質疑

質疑を行う藤井しんすけ

 県立高校にも発達障害を含め、支援を必要とする生徒が少なからず在籍しているが、高校では特別支援体制の整備が進んでいない。
 支援が必要な生徒の進路先は、高校よりも特別支援学校が選ばれているとされているが、高校でも可能な限り支援を必要とする生徒とそうでない生徒が共に教育を受けられるよう道筋を作るべきであり、支援を必要とする生徒が自らの学び方を選択できる余地が必要である。
 教育委員会では、国の事業を活用して、第2回県議会定例会に補正予算案を提出し、高等学校等におけるインクルーシブな教育を実践する学校づくりを目ざしていくとしており、県立高校における特別支援教育の取組の充実が期待されている。

 そこで、県立高校における、支援を必要とする生徒に対する特別支援教育について、これまでどのように取り組み、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

教育長答弁

答弁を行う教育長

 県立高校では、現在、身体に障害のある生徒、発達障害の生徒など、様々な生徒が学んでいます。
 教育委員会では、これまで、こうした生徒が支障なく学校生活を送れるよう、様々な支援に取り組んできました。
 具体的には、身体に障害のある生徒が自力で校内を移動できるよう、スロープやエレベーターの設置、生活介助のための非常勤介助職員の配置を行ってきました。
また、発達障害の生徒が、自分のペースで学べるよう、非常勤講師を配置し、支援に努めてきました。
 さらに、支援を必要とする生徒の相談に応じる教育相談コーディネーターを全県立高校に配置し管理職や養護教諭などと連携して、一人ひとりの特性に応じた支援に取り組んでいます。
 県立高校では、こうした取組を鋭意進めていますが、小中学校と比較すると、生徒の障害特性に応じた教科指導や、学習支援の蓄積がまだ十分ではありません。
 そこで、今後、学校全体で、障害についての理解が、さらに深まるよう、教員研修を通じて啓発を図るとともに、生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた教科指導ができるよう、授業の工夫と実践を積み重ねていきます。
 また、今定例会に補正予算案としてご提案をしている現行教育課程の基準によらない「障害に応じた特別な指導」等の研究開発を県立高校2校で着実に実施していきます。
 今後、県立高校改革の取組を見据え、この研究事業において得られる成果を、障害のある生徒も、ない生徒も共に学ぶインクルーシブ教育の先進的実践例として、全県立高校への普及、拡大に努めてまいります。

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