骨粗しょう症対策について

藤井しんすけ質疑

質疑を行う藤井しんすけ

 市町村では、健康増進法に基づいて骨粗しょう症検診を実施しているが、公益財団法人骨粗鬆症財団が昨年11月に発表した都道府県別の受診率では、本県は、全国で下から3番目に低い0.9%であった。
 受診率が低い地域ほど大腿骨の骨折を起こしやすく、大腿骨骨折により人工骨頭挿入術を受けた患者の割合と要介護者の割合は比例し、骨粗しょう症検診率と人工骨頭挿入術を受けた患者の割合は反比例すること、検診率の低い地域ほど介護が必要になる傾向にあることも報告されていることから、要介護状態を回避し健康寿命を延ばすためには、骨粗しょう症検診は欠かせないと考えられる。

 そこで、骨粗しょう症検診の実施主体は、あくまでも市町村であると承知しているが、県民の未病改善に不可欠な骨粗しょう症対策について、検診の受診率向上に向けた取組も含め、県は、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

答弁を行う黒岩知事

 骨粗しょう症は、女性に多くみられる生活習慣病であり、骨粗しょう症にならないためには、若い時期から栄養バランスの取れた適切な食事や運動により、骨を強くすることが大切です。
 そこで、県は、高校生向けに作成した学習教材で、骨の大切さや無理なダイエットの危険性などについて周知するとともに、保健福祉事務所の保健師等が、県内の大学へ出向き、女性の健康課題について講演を行うなど、若い世代への啓発に取り組んでいます。
 一方、女性は一定の年齢になると、ホルモンバランスの変化で、骨量が著しく減少するため、定期的な検診により骨の状態を確認する必要があります。
 しかしながら、骨粗しょう症は、自覚症状がなく進行し、切迫感を持ちにくいことなどから、市町村の骨粗しょう症検診を受診する人は少なく、また検診を実施していない市町村も多い状況です。
 そのため、検診の重要性を理解していただくとともに市町村における検診の実施が進むよう取り組む必要があります。
 そこで、県では、企業と連携して作成した女性向けのリーフレットで、骨粗しょう症について周知するほか、市町村と連携したイベントや未病センター等で、簡易な骨密度測定を行うなどして、気づきを促し、生活習慣の見直しや検診受診につながるよう取り組んでいきます。
 また、女性を対象とした様々なイベント等を活用し、骨粗しょう症の正しい理解や、検診の重要性を県民の皆様に伝えていきます。
 さらに、市町村においては検診に係る経費が負担となっているとも聞いていますので、国に対して、財政面も含めた支援を要望し、多くの市町村で検診が実施されるよう働きかけていきます。
 県は、市町村や企業と連携して、骨粗しょう症対策を進め、県民の皆様が、いくつになっても元気に生き生き笑顔でくらせるよう、取り組んでまいります。

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