農地の有効活用について

藤井しんすけ質疑

質疑を行う藤井しんすけ

 本県の農地面積が年々減少する中で、荒廃した農地は増加している。農地の荒廃化は、高齢化や労働力不足のために耕作ができなくなったケースや、相続で農地を取得したが農業をしたことがないなど、様々な理由がある。
 県西地域の丘陵地域にあるみかん園は、農作業が大変なことから荒廃地が増加しつつあるが、一度、荒廃化が進むと平地の畑に比べて復旧も難しいことから、新たな担い手を確保して荒廃化が進まないようにする必要がある。一方、テレワークなど場所を問わない働き方により時間的な余裕ができた都市住民の中には、農業に興味を持つ方も増え、こうした方々を農業の担い手につなげていくことも重要である。

 そこで、みかん園等の農地の荒廃化が進む前に、都市住民に農業の担い手として活躍してもらうことも、農地の有効利用において必要だと考えるが、所見を伺いたい。

環境農政局長答弁

答弁を行う環境農政局長

 本県農業においては、担い手不足により荒廃化した農地がある一方で、市民農園数が全国1位になるなど、農業に興味を持つ県民も多いことから、こうした方々にも本県農業の担い手として活躍してもらい、農地を有効利用してもらうことが重要です。
 県は、みかん園で就農したいという県民の声もあったことから、荒廃化したみかん園を借り受け、研修農園として整備し、苗木の段階からみかんなどを育てる事業を行ってきました。
 しかし、研修後のアンケートでは、就農を希望する研修生は少なく、その理由として、3年間の研修では、みかんの木に実がなるまでには成長しないため、肥料の与え方など、一部の栽培技術しか習得できず、就農するには、技術面に不安があることがわかりました。
 また、研修では、みかんの収穫の楽しみや販売のノウハウが得られなかったため、研修生の就農意欲につながらなかったと考えられます。
 そこで、県は、研修生の不安を解消するため、実際のみかん農家のもとで、収穫までの技術や販売のノウハウも学べる新たな研修制度を構築することで、技術力の向上と就農意欲を高めていきます。
 併せて、研修後は、市町村や農地の貸借を担う農業公社などと連携して、荒廃化する前の農地情報を収集し、収穫可能なみかんの樹も含めて農地の貸借が進むよう調整を行っていきます。
 こうした取組により、都市住民などを含む県民が、本県農業の多様な担い手として活躍する場を確保し、農地の有効利用を図ってまいります。

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